バナナペーパーデザイナーの山勢拓弥が語る「ゴミを拾わずに仕事ができる環境造り」とは【情熱大陸カンボジア】

おはようございます、こまきねポンプ西畑 将大石崎 祐太です。

僕らは今ここ
カンボジア・アンコールワット遺跡に来ています。

お馴染みアンコールワット。街から行くには自転車がオススメ。

日本でもお馴染みの世界遺産がある街、シェムリアップ。今日も多くの人で賑わっています。

ところで、皆さんは自分が出したゴミがどう処理されているかはご存知ですか?日本では、ゴミ焼却施設に運ばれ処理されるのが一般的です。しかし海外ではどうなんでしょうか?
皆さんが訪れた事のある国々で、自分が出したゴミがどんな風に処理されているのか考えた事はありますか?観光で人が増えればそれにしたがってゴミも増えます。

ここカンボジアではゴミ焼却施設がなく、分別もされずにただただ山積みになっているのが現状です。

実際のゴミ山は壁で囲まれ、僕らは立ち入る事は出来ませんでした。
メディアが報じる事でこの現状が明るみになるのを避ける為と推測されます。

シェムリアップからほど近い村にそのゴミ山はあります。
村人の中にはこのゴミの中から瓶や缶を拾い集め生計を立てている人も多く、幼い子供達も親と共にゴミを集めています。
そこは悪臭が漂い、医療ゴミやガラス片など危険物が分別されずに投棄され、ゴミが山積みになっている劣悪な環境です。

この環境に衝撃を受け、人々がゴミを拾わずに生活出来る環境を作る為に活動されている方が、今回インタビューさせて頂いた山勢拓弥さん。

山勢 拓弥(ヤマセ タクヤ)

1993年東京生まれ。
2013年にバナナペーパーとAshi作りに軸を置いた雇用事業と教育事業を柱とした一般社団法人Kumae を設立。2015年にCambodia Blog Social (カンボジアの大学)に入学し、経営学を学びながら運営をしている。
2018年2月4日放送の情熱大陸(MBS)に出演されるなど、日本でも注目を集めている。
サッカーが大好きで、シェムリアップでも週に5日ボールを追いかけている。

 

 

どういった活動をしているのか

祐太
よろしくお願いします。 まず初めに、拓弥さんがどういった活動をしているのか教えて頂けますか?
拓弥さん
メインはゴミ山がある村で、ゴミを拾わずに仕事が出来る環境を作る為にバナナペーパーでお土産作りをしています。 あとはツアー事業やインターン受け入れ、日本語学校をやってますね。
祐太
ゴミ山の資料館も作られているとお伺いしましたが、そちらはどういった目的なんですか?
拓弥さん
目的としてはカンボジアのゴミの現状を知って欲しくて作っているかな。
市内でゴミを出している人達はどんな風にゴミが処理されて、どんな現状があるのか知らない人が多いから知ってもらいたい。
カンボジアの人はもちろん、観光で来ている人も含めて人類全員に知って欲しいね

 

山勢拓弥さんの工房

外では彼女達の子供が遊んでいて、ゆったりとした時間が流れる。

バナナの木からお土産になるまでの全ての工程を、ここでおこなっています。みなさん黙々と自分の作業をこなしていました。
拓弥さんの工房で働いている彼女達が、ゴミ山でゴミを拾って暮らしていたとは正直想像できません。

 

完成したお土産

シンプルなデザインで温かみがあっていいですね。 バックや小物入れ、パソコンケースなども作っているそうです。

バナナの木で作る”バナナペーパー”からは名刺やポストカードが作られています。しかし、バナナペーパーは水に濡れると破けてしまいます。
そこで、バナナペーパーに低融点ポリエステルを混ぜる事で生まれる素材”Ashi”
水に濡れても破けず丈夫で、それでいてしなやかなので、バックや小物入れなどの使いたくなるお土産が作れるのです。

 

山勢拓弥さんのお店 “Ashi Shop”

オンラインショップもあるので、カンボジアに行けなくても購入できます。

シェムリアップのナイトマーケット沿いから路地を一本入った所にあります。
落ち着いた雰囲気でゆったりと商品を選ぶことが出来るので、きっとあなたのお気に入りも見つかります。
お店の詳細は、記事最後にもまとめてあります。

 

 

「そんなに大きくは考えてなかった」大学を辞める決断

祐太
大学を辞めたとお伺いしましたが、当時不安はありましたか?
拓弥さん
今考えたら大きな選択だったなと思うけど、当時はそんなに大きな事だって考えてなかったかな。
別に生きていけたらいいかなって。
祐太
そのメンタルはすごいですね(笑)
拓弥さん
メンタルってよりも本当に馬鹿だったんだろうね(笑)日本の社会に馴染めてなかったのもあるだろうし。
毎日学校行ってさ、、、行きたい学校だったんだけどね。
今思えばだけど大学でNGO論って講義を取ってて、それで先生が前に出て話しているけど、なんかやっぱり表面上というか書面上の事で。その先生も色んな国を回ったりはしているけど、地に足を着けて活動をしている人じゃなくて、その人から出てくる言葉に重みを感じられなくてね。
祐太
「どの口が言うてんねん!」って感じですか。
拓弥さん
それをテストとかで出されて、答えを書いてマルもらってさ(笑)
だから大学に重きを置いたりはなかったね。

 

バナナペーパーは西さんの紹介だった

祐太
立ち上げの話も聞かせて頂きたいのですが、拓弥さんはもともとチョルモイツアーズと言う団体に所属していて、そこでゴミ山の担当になったとお伺いしました。
団体を抜けて個人で始めるきっかけや要因はなんでしたか?
拓弥さん
初めから独立するって決めて話していて。ゴミ山にお客さんを連れて行くのが団体での僕のミッションで、他にも何か出来るんじゃないかと思い始めたから独立したね。ちょうどその独立するタイミングで西さんからバナナペーパーを紹介してもらってさ。それまではミサンガとかガラス玉とかを作ってたけど、なかなか上手くいかなかった。
祐太
そうなんですか!
バナナペーパーのきっかけは西さんだったんですね。
 
 

可愛らしいデザインのポーチ。全て手作り。

 

困ってる事よりも感謝の方が多い

祐太
困っている事とかってありますか?
例えば文化の違いなどで。
拓弥さん
ほとんど無いかなー。あるとすれば仕事場に牛を連れてくるぐらい。

ベンメリア遺跡と牛。足が長い男前。


祐太
それは何故なんですか。(笑)
散歩とかですか?
拓弥さん
工房に生えてる草を食べさせたいみたいなんだよね。
でもまぁ草食べてるぐらいなら良いかなって。
今はスタッフに対して不満とかはないね、むしろ感謝の方が多い
祐太
当初からなかったんですか?
拓弥さん
僕自身が日本で働いたことがなくてね、バイトもほぼした事ないし。だから日本の社会ってものにほとんど触れたことがないんだよね。
仕事の厳しさとかを僕自身が知らないからよくやってくれるなって思うし、経験がないからこそ許せる部分ってのは多いね。
 
 
 

高校→大学→就職、日本の社会の流れ

ピンと来たから動いてる

拓弥さん
幸せとか人生において何が大事なのかって、日本では知らないうちに画一化されてて、高校出て大学出て就職するっていう一つの流れになってる。
それをやってない奴は不幸だみたいな風潮があるけど、僕はあんまりそう思わないかな。自分が何を求めているのかを考える必要があるね
祐太
漠然と世の中がなんだろうって思うときは誰でもあると思いますし、そこでタクヤさんはカンボジアに移住するという、今思えば大きな決断。
でも決めた時は大きな事だと思っていなかった。それはカッコよく言えば直感に従っているって事で、僕らが今旅をしている中で感じ始めている事です。
大きな計画があって動いてるわけではなくて、ピンと来たから動いている。
拓弥さん
そうですね、あんまり考えすぎないほうがすっと入ってくるというか。でも考えないといけないことも多くて、切り替えは難しいですね。
祐太
直感とかセンスに従っている人は、そうでない人と何か違いが出て来ているなと思います。

 

「こうあるべきだ」なんてものはこの世界にはない

 
祐太
日本には日本人の大きな社会の流れがあって、それを全員が全員幸せとは思っていなくても日々の生活を過ごしていて。潜在的にどこか変化を求めている人も多いと思うんですけど、そういった方が今後この記事を読んで「おっそんな考え方あるのか」って思えるようなメッセージはありますか?

拓弥さん悩む。

拓弥さん
んー。僕らがこうやって活動できているのもそういう大半の人がいて、日本の社会があるからこそ今の活動ができていると思うんですよね。安易に「外に目を向けなきゃ」なんていう事はできないし、難しいね。
外に行きたきゃ行けばいいし、何か自分を思い止まらせる事があるのならちゃんとそこに目を向けるべきだなって思う。
でもほとんどの場合思い止まらせてるものって自分の中にはなくて、外的な要因が多かったりする。
祐太
例えばどんな事がありますか?
拓弥さん
さっき言ってた日本の社会の流れがあって、そこを外れて出てしまう事が自分を思い止まらせてるって思い込んじゃってるけど、ならそこに目を向けて本当にそうなのか考えるべきだし。
いろんな道があるので僕がどうこう言うのはあんまり好きじゃないけど、強いて言うなら、「こうあるべきだ」なんてものはこの世界にはないのかなって思いますね。
祐太
力強い言葉ですね。
世界に目を向ける必要なんてないし、日本を出る事が幸せと思わない人もいる。
そして、拓弥さんのように考える人もいる。人にはそれぞれの幸せがあるから、何かをするべきって言いたいわけではなく。
「こんな人がいて、こんな風に考えてて、じゃああなたはどうなのか?」って考えるきっかけを作って欲しい。
僕らは記事を読んでもらってそう感じて欲しいです。

 

 

今後の展望

バナナペーパーをきちんとした製品にしたい

祐太
まずは現状でどのくらいの効果が出ているのかと、今後をどう見ているのか教えて頂けますか?
拓弥さん
ゴミ山で働いている人が100人ぐらいいる中で、ウチで雇っているのは9人。
だから大体だけど10分の1ぐらいの手応えしかないです。
今やっていることとしては、やっぱりバナナペーパーをきちんとした製品にしたい。こういった背景があってもちゃんと売れる商品にしたいんですよ。そのクオリティーを今まで一緒にやって来ているスタッフと高めたいですね。
バナナペーパーやこれから始めるバナナシルクを文化や伝統にしたい思いが強い。

 

僕の思いだけでなくて、スタッフ自身の思いを伝えたい

祐太
人手が足りなくなって外部委託などをすれば生産量は増える。でもここのみんなでやっていこうといった思いがあるんですか?
拓弥さん
基本的には人手が必要であればゴミ山の方からリクルートしていきますし、声はかけていきます。それを変えるつもりはないですね。
今後やっていく中で核となる人達。今9人で働いているんですけど、その9人が核となって事業や活動の思いを広げていけたらなと。
僕の思いだけじゃなくて、彼ら自身の思いをカンボジアの方達にアウトプット出来たら良いなって、だからもうちょっと時間をかけてこの核を成長させたい。
祐太
1人でやるよりも組織としてやっていきたいという事ですね。

カニャさんと拓弥さん。お店の前で。

祐太
本日は貴重なお時間を割いて頂き、ありがとうございました。
拓弥さん
こちらこそ、ありがとうございました。

 

 

まとめ

いかがでしたでしょうか。
「ゴミを拾わずに仕事が出来る環境を作りたい。」そんな一途な思いを胸に活動を続ける拓弥さん。西さんもインタビューで語ってくださった様に「自分のやりたい事を実現できる強運を持っている。」僕らもお話を伺って本当にそう感じました。
でも強運を持っているだけではなくて、考えて行動して、自分の思いを実現させていく。決して平坦な道ではないけど、支えてくれる人と共に進んでゆく。

みなさんもカンボジアを訪れた際は拓弥さんのお店を覗いてみてはいかがでしょうか。きっと愛用したくなるお土産に出会えると思います。

拓弥さんのお店”Ashi Shop”店舗情報

住所:〒17000 Krong Siem Reap, Street #7, Mongdol 1 village, Svay dongkum commune
TEL:087 428 965
オンラインショップ:https://kumae.handcrafted.jp/

 
 インタビュー:石崎 祐太
写真、文:西畑  将大

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ABOUTこの記事をかいた人

こまきねポンプ

西畑 将大(写真右)写真と切れ痔担当と、石崎 祐太(写真左)愛と勇気担当。 高校の同級生2人で大学を休学し、2018年3月3日から世界一周二人旅をしている。 旅の途中でフィリピン、セブ島の英語学校クロスロードに立ち寄り、セカパカのライターとして任命を受ける。 こまきねポンプの由来は、西畑がトイレにウンコを詰まらせ、こまきね先生がポンプで解決してくれたエピソードから。